魯山
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友人の恭子に連れられて
初めて魯山に行ったのは 大学生の時。
それまでも 錆びたもの金属のもの好きだったけど
心からどしんとやられる。
店主の大嶌さんが 古い金属のものを 切ったり叩いたりくっつけたり焼いたりして
使えるなにかにしたもの。
それは 伝統的な金工の技術から生まれたものではなくて
大嶌さんが作業しているうちに出来た技法で 独自のもの。
磨きこまれて黒く馴染んだ錆。
柔らかく加工された切り口。
金属の接着も 溶接でもハンダでもないけど うまーくつながっている。
どこかしら手を入れられていて その直しがいちいちチャームポイントになっている。
こんな金属があるんだ!と思った。
心のなかの 新しい部分が開いた。
卒業まで 大嶌さんの話たくさん聞いたのだけど
卒業後作家にならず就職して自分の制作からもずっと離れてしまった私は
なんか勝手に行きづらくなって 何年もお店に行けなかった。
あんなに物づくりの話聞いていたのに応援してもらっていたのに 
そのときの何もできていない自分が嫌で 会わせる顔が無くて。
友人のおかげもあって ほんとうに久しぶりにお店に顔を出せたのが2年ほど前。
大嶌さんの周りには 変わらず生徒のような若いお客さんが話を聞きに来ていて
私もまたあの時と同じようにそれを聞く。
戻ってこれてよかった。
昨日また半年ぶりくらいにお店にお邪魔した。
自分が制作するようになってから見る大嶌さんの仕事は やっぱりためいきもので
ふうふう言いながら 見る。
師匠でも弟子でもないのだけど これからも勉強しに魯山へ行く。
by chi-colla | 2013-07-31 02:30 | 景色とつぶやき Scene
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