おばあちゃんのお見舞いに 家族全員で行く。
もういつ何があってもおかしくないからねと 聞いてどきどきして行ったけれど
そこにはかわいいおばあちゃんがいた。
ほそーくて 病気ではないから透き通るようにきれいで
おかゆに好物のちょっと濃いおかずを混ぜてあげるととたんに噛む力が強くなり
寝たきりなのだけど ちょっとした事で目の表情が変わるのがわかる。
桜の皮で出来た素敵な茶筒を見つけて 「これはいいねえ いいものだねえ」と言ったら寝ているおばあちゃんの目がとたんにキラキラして いいでしょう?って顔になった。
もらっていい?と聞いたらうなずいてくれたので 大事にしまった。
今まで知らなかった事実。
おばあちゃんの実家は 骨董屋だったらしい。
ふつうの職業につかなそうで悶々としていた私にも 自由にすきなことをやりなさいね
って いつも変わらず言ってくれていた。
今もうなかなか声は出ないおばあちゃんだけど あの声忘れないなあ。
そのあとみんなでご飯を食べた。
実家全員で外食するのは珍しくって これもおばあちゃんのお見舞いのおかげだねと家族で話す。
おばあちゃんを中心に みんなが集まっている。